国連事務総長が核兵器禁止条約(NWC)に言及

潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は、08年10月24日に国連総会第一委員会(軍縮・安全保障問題)に並行してニューヨーク国連本部で開催されたシンポジウム「気運を掴む―大量破壊兵器及び軍縮にかかる新たな東西合意を築くための打開策」における自身の基調演説の中で、核兵器禁止条約に言及しました。
 

「国連、そして核兵器のない世界における安全保障」と題されたこの演説では、核兵器廃絶へ向けた5つの提案が示されていますが、その第1番目として、「すべてのNPT締約国、とりわけ核兵器国に対し、核軍縮へと繋がる効果的な措置に関する交渉を行うという、条約に基づく義務を果たすこと」を挙げ、「各国は、相互に補強しあう別々の条約の枠組みに合意することにより、こうした目標を追求することが可能である。あるいは、長年国連において提案されてきたように、確固たる検証システムに裏打ちされた核兵器禁止条約の交渉を検討することも可能である」と述べています。
 国連事務総長が核兵器禁止条約に言及したことにより、モデル核兵器禁止条約が話題となっています。国連文書であるモデル核兵器禁止条約は、国際NGOの主導で起草され、97年にコスタリカが国連に提出し、10年後の07年のNPT再検討会議準備委員会において改定版が再びコスタリカにより提出されたものですが、このモデル条約を紹介した文献として、『地球の生き残り―解説 モデル核兵器条約』が注目を集めています。 この文献は、一般の書店でも購入することが可能ですが、NPO法人ピースデポで数冊の取り扱いがあります。

 

◇参考資料◇

  1. 国連事務総長演説全文(英語版)
  2. NPO法人ピースデポ発行、核兵器・核実験モニター315‐6号
  3. NPO法人ピースデポ発行、核兵器・核実験モニター310‐11号
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