長崎大司教が宗教者と議員に核のない世界の実現を求める

長崎への原爆投下記念日が近づくなか、高見三明大司教は「核兵器のない世界:人類共通の利益」声明に賛同した。

 

1945年8月9日に長崎の街に投下された原子力爆弾の胎児被ばくを受けた長崎大司教のヨセフ・高見三明氏は先週、「核兵器のない世界:人類共通の利益」声明の採択に賛同した。これは市長、宗教者、そして国会議員らによって作成されたものであり、世界的に核兵器の使用禁止・廃絶が進められることを求めている。

特に、この声明は「世界の指導者が核兵器廃絶に取り組み、紛争解決のためには核抑止の代わりに共通の安全保障のアプローチを築き、各国に核兵器条約や核兵器廃絶の合意の枠組みを推進していくよう」求めている。

高見大司教は原爆投下から7ヶ月後に生まれ、彼の祖母や2人のおば、そしておじを含め多くの親族を原爆で失った。

彼は核兵器の存在を「本質的に悪」と名付け、「この死の兵器を正当化する理由は一切ない(中略)いかなる核兵器の使用も必ずや人道的に破滅的な結果をもたらすのであり、これはわたしたちの宗教的価値観や道徳的信条に対立するものである(中略)それゆえ、核兵器廃絶は精神的な義務である」

2017年7月15日にジャパン・タイムスに掲載された記事で高見大司教は、日本は主に中国や北朝鮮の脅威に対抗するためアメリカの核の傘に頼っていると認めた。しかし彼は、このような政策が持つリスクは受け入れがたいものであり、3プラス3北東アジア非核兵器地帯(NWFZ)など、核抑止以外により望ましい選択肢があるとした。

3プラス3北東アジア非核地帯と名付けられたこの計画の具体案は、ピース・デポ(日本)の梅林宏道氏や、長崎大学核兵器廃絶研究センターによって練り上げられてきた。

構想はすでに日本と韓国で議員から党を超えた支持を獲得しており、北朝鮮の議員使節団も興味を示している。また、主要な市民団体、多くの研究者や政策分析家、545人の市町村長や126人の宗教者からの支持を獲得している。

カトリック中央協議会会長でもある高見氏を始めとして、他にも国内外を含め多くの著名な人物がこの声明の賛同者に名前を連ねている。

賛同者:
河野太郎議員(日本国外務大臣)、岡田克也議員(元外務大臣)、松井一実(広島市長)、田上富久(長崎市長)、国富敬二(世界宗教者平和会議事務局長)、逢沢一郎議員(元衆議院外務委員長)、猪口邦子議員(元軍縮会議日本政府代表部特命全権大使)、Christine Muttonen議員(欧州安全保障協力機構議長) 、Saber Chowdhury議員(列国議会同盟社長)、Holger Nielsen議員(元デンマーク外務大臣)、Paul Quiles(元フランス国防相) 、Mary Anne Plaatjies van Huffel(世界教会協議会議長)、Dr. Tariq Ramadan(欧州ムスリムネットワーク代表) 、 Marie Dennis (Pax Christi International共同代表) 他多数。

この声明は2016年2月に国際連合で「相互核兵器軍縮交渉のための前進」に提出され2017年7月には核兵器禁止条約のための交渉会議でも発表された

声明賛同者は現在、2018年の核軍縮についての国連ハイレベル会議で各国政府に具体的な行動を迫るためにこの声明を発表する準備を進めている。

元記事:http://www.pnnd.org/article/archbishop-nagasaki-endorses-call-religious-leaders-and-legislators-nuclear-weapon-free

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